数学書マイブーム4 非線形・カオス2015年04月02日 16:00

非線形科学;蔵本由紀(集英社新書)、複雑系入門;井庭崇・福原義久(NTT出版)、カオスとフラクタル;山口昌哉(ちくま学芸文庫)という数学系教養書をやっと読み切った。共通するのは「非線形」数学である。
山口先生の文庫本は、とにかく数式や数学記号がふんだんに溢れ文化系の私にはまことに手強いものだったが、だんだん数式にも慣れてきて、何のことを語っているのか読めるようになるものだ。
もし読みたいという方は、複雑系入門から初めて、非線形科学、最後にカオスとフラクタルがよいだろう。
おもしろいのは、数学上の「カオス」は、単純な操作を繰り返すことによってもたらされる不規則=ランダムな数値や状態が現れることを言う。ある秩序を繰り返すとき、ある条件になると現れる。その条件範囲以外では、一定周期の振動に収斂する。
天体物理でも万有引力の方程式に厳密にしたがって軌道を描こうとしても、引力を及ぼし合う天体が3つになると、軌道は不規則になりカオスが生まれてしまう(3体問題として現代でも解けない)。
また、カオスの手前に「カオスの縁」という不思議な秩序を保った領域があり、自然界の形に繰り返し現れるパターンや、どこまで縮小しても拡大しても同じ形になる「フラクタル」という次元が注目され始めたりしている。
非線形モデルの守備範囲はさらに広がるだろう。
しかし季節の変わり目の不調から、トマ・ピケティ(の著作21世紀の資本の批判研究論文集)とマルクス経済学の本は積んだまま読む気がしない。


いや、みなさん、数学書というのは文系のアホが読んでも、結構おもしろいし、微分方程式や、写像とかも何とかアイデアぐらいは分かるから、ぜひチャレンジして欲しいものだ。

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