アメリカ大使館エルサレム移転がもたらすもの2017年04月10日 23:01

アメリカ大使館をエルサレムに置く、つまりトランプ大統領が、1995年議会が成立させた大使館移転法を是認すると、国連が「国際管理都市」としてイスラエルの領有を認めていないという国際合意を、アメリカが公然と無視することを意味する。
アメリカが無視するなら、もはや北朝鮮を誰も非難できず、ロシアも中国もやりたい放題となろう。
国際連合は、国際無法連合へと変貌する。帝国主義(国家単位の実力成果主義)が復活するともいえる。
それも剣呑な話だが、もう一つ過去の亡霊、ゾンビが復活する。
ユダヤ人ヘイトだ。
もしも、アメリカ大使館のエルサレム移転が実現され、それをきっかけに、第5次中東戦争が起き、多量の難民や、イスラム過激派によるテロが多発する世界同時不安定が起きたとき、このように言う人々が現れる。
「諸悪の根源は、イスラエルを無理矢理建設し、世界の富を牛耳るユダヤ人の存在だ。ヒットラーナチスは間違っていなかったどころか、不徹底だった、ユダヤ人は根絶やしなければ世界の不安定は終わらない」
これがネットを通じて、あまたある「フェイクニュース」に混じり、あっという間に拡散する。
ネオナチは、下手をすると、絶対禁止であるはずのドイツですら公然と闊歩する。
この悪夢が正夢になれば、人類は、第二次世界大戦という悲惨からもまったく学習できない生き物であることを示す事になるかも知れない。