憲法を改正しよう2015年05月03日 13:56

憲法記念日だからひと言、私は憲法に関してはリベラル改憲派である。
9条は、解釈の曖昧さをなくし、自衛隊の現状を肯定した次のような条文に改正すべきである。
9条1項 
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる 戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(これは理念なので変えない)
2項
前項の規定にかかわらず、自国防衛のための自衛権に基づく軍事力はこれを保持する。
3項
第2項の自衛権の行使は、日本の領土、領海、領空および国際条約上で認められた排他的水域、国際機関の合意のもとで行う平和維持活動中の地域の中で、他国による日本および国際機関の合意事項を遂行する国に対する戦闘行為があった場合にのみ認められる。
4項
日本国と第3国との間の双務軍事同盟および集団的自衛権はこれを認めない。
5項
国の徴兵権はこれを認めない。


次ぎに問題になるのは24条=婚姻である。大胆に同性婚に道を開いておいた方がよい。
現行; 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
改正案;婚姻は配偶者間の合意により成立し、配偶者が同等の権利を有することを基本として・・・云々。
2 配偶者たる要件は法律でこれを定める。

財産権とりわけ私有財産の不可侵権を規定する29条は、トマ・ピケティによる「資産課税強化」の方向性を明確にして、相続による資産占有層の固定を減じるうえで改正すべきである。
29条 現行;財産権は、これを侵してはならない。
改正案;財産権は相続によって得たものを除きこれを侵してはならない。
第4項(付加);相続で得た財産の内容は法律でこれを定める。

議会制民主主義(間接民主主義)の限界を補完するため直接民主制(国民投票)の地位を定める。
41条 現行;国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
改正案;(41条の1として挿入する)前条にかかわらず、国会の発議による国民投票による結果は、国会での議決にかかわらず国権の最高意思決定とする。
第2項;前項の国民投票に関する要件及び手続きは法律で定める。

衆参両議院議員に関する45条46条の次ぎに付け加え、「1票の格差」問題に対応する。
改正案(46条の1);両議院の議員の権能のうち、議決権については、選挙区の有権者数の格差によって2分の1を下限として制限することができる。
第2項;前項の制限に関する要件と手続きは法律で定める。

最高裁判所の憲法審査権を定めた81条につぎの条文を追加する。
現行;最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
改正案(81条の1);国民は、国会で審議されまたは議決された法案が、憲法に違反すると認めるときは、最高裁判所に訴えを提起することができる。

地方の議員を選挙で選ぶことについて定める93条第2項を改正する。
現行;地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
改正案(第3項);前項にかかわらず、地方公共団体の議員については選挙に代えて抽選など公平な選出法を採用することができる。

ポスト大阪「都」構想2015年05月22日 10:30

昨夜のテレ東「カンブリア宮殿」は、文化財の内外装修復の最大手、小西美術工藝社の社長だった。彼は元金融アナリストで、茶道の師範、42歳で日本家屋で「隠居」していたところを請われて就任したイギリス人。
会社は現在、日光東照宮の彩色塗装の修復を行っている。
彼が文化財修復の世界には行って驚くのは、日本が文化財修復にかける予算の少なさである。国家予算としては81億円、故国イギリスでは500億円。
しかも日本では、建築構造物としての修繕が主で、内装などは「古びて赴きあり」の域を超えて単なる「ボロボロ」だという。もちろん観光産業への活用波及はほとんど無いという。
好例は、彩色が剥がれて地元民も見向きもしなかった埼玉県のお寺のお堂を、創建当時の色彩に修復したら、なんと「国宝」してとなり年間80万人を超える観光客を迎え、地元にはガイドなどの波及が生まれた。

彼は断言する、文化財こそ地方創世にもなる観光の核である、観光産業は世界平均でGDPの9%、日本は2%台、つまり観光を「世界平均」とするだけでGDPの伸びしろが確保される。
モヤモヤしていた、砂上の楼閣にすぎなかった「大阪都構想」への対案が明らかになった気がする。
大阪には、豊臣秀吉が開発したころから江戸時代の「商人の町」としての膨大な文化的集積がある。
橋下市長が予算を削りに削った「大阪固有の文化・文化財」「歴史」を徹底的に掘り起こして、観光資源として組み込んで行く。

東京のおもしろさは、実は、華やかで流行の先端を行くものと、江戸に根っこをもつ古い伝統文化との出会いがあるところだと思う。
大阪だけでは難しいところもあろうが、ほんの半径40キロの中に京都・神戸・奈良があるではないか。
京都にあって大阪にないのは、文化的閉鎖性つまり自己の文化へのこだわりと不断の維持管理の差ではないか。
まずは大阪の文化財への徹底立て直し・修復、そしてなにが大阪らしい大阪固有の文化なのかを見直すことだろう。
観光は、固有で個性的な文化を見せることに尽きる。文化財というハードは徹底的に「見て感動するほど素晴らしい」レベル(藤祭りで触れた、塚本こなみさんのいう「感動分岐点」を超える)までメンテナンスされなければならない。

大阪に文化がないか?ある。
京都には京都の、神戸には神戸、奈良にも、吉野にも高野山にも、関西一円には観光産業経済規模を世界平均に近づけるだけの資源はあるではないか。
しっかり補修された、美しく壮麗な「国宝」「重要文化財」を核とする観光産業は、ガイドや、小西美術工藝を頂点とする修復会社、宿泊施設、食堂、外国人の観光ガイド業など裾野が広がる。
GDPを世界平均にあげると、100万人単位の雇用も生まれ、文化財修復の職人技術の継承もスムーズに行われる。
文化財こそ予算のかけがいのある「地方創世」だそうだ。
賛成だ。
ヨーロッパの都市が、最新の超高層ビルで観光客を引きつけているか?「ノー」だ。歴史的景観と文化財・美術品で観光業が成り立っている。
歴史は「江戸時代以前」だけではない、明治~昭和もまた歴史なのだ。
大阪を始め関西復権(観光産業での)は、「関西文化の都構想」こそふさわしい。