憲法改正私案2016年02月25日 17:28

前文は全面削除。
第一章「天皇」第一条~第八条は変更なし。
第二章「戦争の放棄」は章名を「戦争の放棄と自衛権」に変更
第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2 前項の規定にかかわらず、自国防衛のための自衛権に基づく軍事力はこれを保持する。
 3 日本国と第3国との間の双務軍事同盟および集団的自衛権はこれを認めない。
 4 国の徴兵権はこれを認めない。
 
第九条の二 前条第2項の自衛権は陸上、海上、航空自衛軍により行使される。
第九条の三 自衛権の行使は日本の領土、領海、領空および国際条約上で認められた排他的水域で他国による攻撃があった場合に認められる。
 2 自衛権による武力行使は、自衛のための最小限とし、他国の領土領海領空では行わない。
第九条の四 前条のほか、国際連合と当事国政府の合意のもとで、他国と共同で平和維持活動に自衛軍を派遣することができる。
 2 派遣中の自衛軍に対する攻撃があった場合の武力行使は、第九条の三にかかわらず、自衛権の行使とする。
第九条の五 平和維持活動中は、捕虜の扱いに関する国際条約における軍の規定を適用する。
 2 平和維持活動中の自衛権の行使による他国民の殺傷について派遣自衛軍において軍事裁判を行うことができる。
 3 軍事裁判の刑罰及び手続きは法律で定める。ただし刑罰に死刑を設けることができない。
 4 軍事裁判の判決に不服のあるものは帰国後通常の裁判を起こすことを妨げない。
 
第3章「国民の権利と義務」
第十一条  国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
 2.基本的人権の具体的な権利は制限的に解してはならない。
 
第十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
 2.日本に滞在または居住する外国人についても、外国籍であるゆえをもって前項の権利について差別されない。
 
第十五条  公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利であり、その手続きは法律で定める。
○2  すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
○3  公務員の選挙については、普通選挙を保障する。(「成年者による」を削除)
○4  すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
 
第二十一条の一 (知る権利を明文で追加)
国民は、国及び地方公共団体の保管する情報の公開請求ができる。
 2.前項にかかわらず法律により公開を制限することができる。ただし制限期間は30年を超えることができない。
 3.前項の制限ができる情報は、最小限でなければならず、相当の理由を明示しなければならない。
 
第二一条の二
個人に固有の情報は厳重な保護を要する。
 2.国または地方公共団体は保有する個人固有の情報によって、個人の権利を侵害してはならない。
 
第二十一条の三 第二十一条にかかわらず、あらゆる差別に関してそれを煽り、政治目的とする結社、表現はしてはならない。
第二十一条の四 国及び地方公共団体およびそれらが関与する団体においてあらゆる差別はこれを禁ずる。
 2.差別の排除撤廃に関し、国が締結した国際条約に反する法律規則はこれを無効とする。
 3.前項に抵触する法律規則は速やかに変更しなければならない。


第二十四条 婚姻に関する条文だが削除

第三十七条  すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
○2  刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
○3  刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

第2項、「全ての証人」を「全ての証人及び証拠品、取り調べ記録」とする。

第四章「国会」
第四十八条  何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
 2 地方公共団体の長及び議会の議員、その他法律で定めた公務員も両院議員を兼ねることができない。
 3 2以上の国籍を持つもので、外国の公務員であるものは、両院議員と兼ねることができない。

以下の2つの条文は削除。

第五十一条  両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

第五十五条  両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
 
第五章「内閣」
第七十条  内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

次の条文を追加する。

第七十条の一
内閣総理大臣が、心身の故障により意思の伝達が不能となったと認められる場合は、内閣は、法律の定めに基づいて、職務代理者が職務を執行する。
 2.前項の場合において、職務代理者は、30日以内に内閣総辞職するか衆議院を解散しなければならない。
 3.内閣総理大臣が意思の伝達が可能となった場合は、職務代理者は直ちに職務を内閣総理大臣に引き継がねばならない。

自衛権を認めた以上、自衛軍に対する内閣の責任と国会の関与を明確化しなければならないのは当然なので、条文を追加する。

第七十三条の一
内閣は自衛権の発動と終結を決定する。ただし発動及び終結後速やかに国会の承認を得なければならない。
  
第七十三条の二
内閣は自衛軍すべての行動に責任を負い、行動について速やかに国会に報告しなければならない。

第六章「司法」
第八十一条  最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

とはいえ、違憲立法審査権は機能していないので条文を追加する。

第八十一条の一(違憲立法訴訟)
国会で成立した法律が憲法に違反すると両院のそれぞれ3分の1以上議員が認めるときは、法律の公布後30日以内に、最高裁判所に当該法律が憲法に違反し無効である旨の訴訟を起こすことができる。
2.最高裁判所は、訴えが起こされたときから60日以内に違憲か合憲かの判決を下すものとする。
3.前項の判決により違憲と判断された法律または条文は、無効となり、改正の場合は従前の条文が有効となる。
4.違憲立法訴訟は、法施行後の憲法に違反する旨をもっての一般訴訟を妨げない。

第八十二条 裁判の対審及び判決は、法律で定めた少年の裁判を除き公開法廷でこれを行う。

第七章「財政」
変更なし。

第八章「地方自治」
第九十四条の一(住民投票の制度化)
地方公共団体は、行政の執行や財産の管理その他に関することを、住民による直接投票によって決定することができる。
 2.住民投票に関することは法律及び地方公共団体の条例で定める。
 
第九章「改正」
第九十六条 この憲法の改正は、衆議院の総議員の三分の二以上、参議院の総議員の二分の一以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
○2  憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

第十章 最高法規
第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

外国人差別を防ぐ必要から第2項を追加する。

 2.基本的人権の保障は、日本国民でないゆえをもって制限的に解してはならない。

コメント

_ み枡屋亭主 ― 2016年03月01日 13:47

私案の全体的な原則。
1.現状を大きく変更しない。

2.制定後これまでいコンセンサスはあるものの明文化されていない諸権利について定める。

3.制定治には意味を有していたが現代や近い将来偽を失っている条文や規定は削除または改正する。

4.世界的にも国内的にも将来生じるであろう問題に対処できるようにする。

1.によって入るものの典型は、9条関係である。私案の改正は個別的自衛権を認め自衛隊の存在を容認している。また、片務条約である日米安保条約も許容している。
自衛隊違憲論は根強くそれなりに説得力はあるのだが、いざ「違憲」として存在を否定すると、20万人の失業問題と軍事装備の廃棄という大問題が起きて社会の混乱は必至である。
自衛隊の「軍」化によって懸念される「徴兵」ははっきり禁止として現状の志願制を維持している。

2.によっているものは、「知る権利」を情報公開権としているところ。行政機関が有する個人情報の保護、刑事犯の裁判ににおける証拠や取り調べ記録の透明化、地方自治における住民投票を直接民主制の端緒としている点、などがある。
臨時国会の召集の日限や、総理大臣の職務代理、最高裁の「違憲立法裁判」手続き規定もこの延長線上にある。

3.24条の婚姻条項、不逮捕特権以外の国会議員の責任や資格裁判規定、さらに言えば、「前文」も同じ発想で削除している。

4.は、端的に「差別の禁止」、外国人への基本的人権の制限の禁止に反映している。

_ み枡屋亭主 ― 2016年03月06日 10:30

「現状を大きく変更しない」ということは重要である。
なぜなら、最高法規である憲法の規定を下敷きにした法律がそれこそ富士の裾野のように広がっているからである。
基本的な国民の権利義務を変えると、民法や、民事訴訟法その他権利関係を定めた法律を変えるという膨大な作業が必要になる。
民法だけでも条文が1000を超える。

それゆえ、自民党草案にあるような「緊急事態」が憲法になれば、緊急時態宣言下で制限される諸権利や手続きの特例をすべて定めなければならない。
「緊急事態けっこうやないか」という人も、宣言がでて自分の家からわずかな補償金で立ち退きを迫られるとなったときには「しまった」とほぞを噛むのである。
民法などの一般法が変わるということは直接国民生活に影響を与え、具体的な権利の変更や制限が課されるのである。
つまりこれまでできていたことが憲法改正後には「違法」になるかも知れないということである。
このような激変は、法治国家の安定を危うくする。それゆえ、禁忌であろうと思う。

_ み枡屋亭主 ― 2016年03月08日 14:11

憲法私案の通り改正されれば、津田大介さんが疑問を呈するようなことは憲法違反として起こりえなくなる。
>>
津田大介
19時間前 ·
人権意識という意味でいうと先日選択的夫婦別姓問題の討論を「日本にプラス」でしたんだけど反対派の百地章さんの主張で驚いたのが国連の女性差別撤廃委員会から法改正を繰り返し勧告されている状況に対して「内政干渉だ」と言ったこと。自ら条約批准しといてさすがにそれは通らないんじゃないかと…。
<<

_ み枡屋亭主 ― 2016年03月16日 16:47

現行憲法を「GHQの押しつけ」という人は、第一章「天皇=第一条から第八条」を読んでいないか、理解できないのではないかと思う。
日本において「天皇」が象徴以外の現実的存在であった時期は、不幸な内戦状態であった。南北朝、明治維新、いずれも非常に血なまぐさい。

無条件降伏した大日本帝国の政治指導者層にとって、唯一譲れない「条件」が「国体護持=天皇制の維持」であったことは広く知られた事実である。
もしもGHQが押しつけたなら、天皇の戦争責任を追及する空気が強かったアメリカが、このようなみごとな天皇の歴史的在り様に基づいた憲法条文を書くと思うのはおかしなことであろう。
紛れもなく現行憲法が日本人の手によって起草された証拠が第一章「天皇」にあると見て間違いない。

右翼諸氏には天皇を、統治の第一人者にしたい向きがあるが、考えてもみよ、万一戦争になって日本が負けたら、天皇陛下の首を差し出さねばならなくなるのだ、不敬と思わないのだろうか。

_ み枡や亭主 ― 2016年03月20日 22:51

「内閣」の章で、自衛権の発動権限を内閣としているが、PKO派遣中の自衛権の行使については内閣が決められないので、
第2項に、「PKO派遣中の自衛軍の自衛権の発動と終結はあらかじめ内閣総理大臣が現地派遣する自衛軍司令官に委任することができる、ただしこの委任には国会の承認が必要とする」

_ み枡屋亭主 ― 2016年05月07日 21:58

削除としていた「前文」だが、改正の決意表明にたいな簡潔なものならよいかと思って考えた。
「我々日本国民は、戦争には勝者も正義もなくただ人類の悲惨があることを学び、恒久の平和を希求して憲法を定め、国民主権、三権分立の民主主義のもと人権と自由を守り今日の繁栄を築いてきた。
ここに憲法を改正するにあたりこれらの諸原則をさらに堅固にし、日本国民と日本に居住するすべての人々に一切の差別なく適用されることを将来にわたって約する。
日本国民は、いずれの国の国民も等しく自身の文化を愛することを自覚し、専制と隷従、暴力と貧困の恐怖を克服しようとする国際社会と協調して、法と高い人間倫理による、よりよい人類世界に貢献することを誓いこの改正憲法を確定する。」

_ み枡屋亭主 ― 2016年05月16日 20:51

珍しくも、「私案」に合致する記事を発見。
自民党内部でも「家族」を強調しすぎたと思っているらしい。同性婚が議論され、世界的には婚姻と認められる流れの中では当然だろう。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=3994640&media_id=173

_ み枡屋亭主 ― 2016年05月25日 17:41

本日の報道ステーションの木村草太氏の解説を聞いて、確かに現行憲法における総理大臣の「解散権」があいまいであることが分かった。
「私案」では検討もされていない。
そこで、変更しないとしていた「天皇」の章第七条三号を削除する。
<現行>第六十九条  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
<改正私案>第六九条の二 内閣総理大臣は、前条のほか、内閣の信任決議が否決された場合に衆議院を解散することができる。
2 前項信任議決において、政党と会派は、所属する議員の議決意思の自由を制限してはならない。
3 第六九条、第六九条の二、七十条の二の場合のほか内閣総理大臣及びその職務代理者は衆議院を解散することができない。

_ み枡屋亭主 ― 2016年05月25日 22:52

いやいや失敗、私案69条の2は第1項を削除して、

第六九条の二
前項信任及び不信任決議において、政党と会派は、所属する議員の意思の自由を制限してはならない。
3 第六九条、七十条の二の場合のほか内閣総理大臣及びその職務代理者は衆議院を解散することができない。

としないといけなかった。

_ み枡屋亭主 ― 2018年04月04日 21:40

第七条3号(天皇の国事行為の内、衆議院の解散)には六十九条の他、総理大臣の職務代理者による解散を定めているので、第七十条の一を加えておかないといけなかった。

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