立憲主義について中学生に説明する2015年06月29日 13:24

玉木雄一郎という民主党の議員のブログ(http://blogos.com/article/119214/)の解説がわかりやすいと評判になっているようだが、中学生に説明するにしては、野党的焦りが先走った政局的解説になっている。
亭主なら、以下のように説明するだろう。

日本は、国民のやってよいこと、いけないこと、もめ事が起きたときの解決の方法を法律によって決めています。学校の校則とかスポーツのルールを思って下さい。
では法律さえあればなんでもOKだとどうでしょう。
たとえば先生が認めたら誰かをいじめてもいい、なんて校則ができたら困りますよね。
こういう誰かが自分に都合のよい法律を作れないように、法律の基準つまり「作ってよい法律とダメな法律」を決めておく必要が出てきます。
とくに「いじめダメ」「えこひいきダメ」みたいに、「ダメ」なところははっきり書いて置くことにしておきます。
そうしないと、弱い立場の人がひどい目に遭ったり強い人がより強く、独り占めなんかをしてしまうかも知れないからです。
一方作ってよい法律は、ゆるくてもかまわないのはわかりますね。


政治は、法律に従ってお金(税金です)を使い、人を集めて(公務員とか官僚ともいいます)監督したりします。また必要な法律を作ったり時代遅れになった古い法律を書き改めたりします。
ここで、法律の基準に絶対に違反しないということが、国民が安心して納得する最低条件となるわけです。
この全ての法律の基準、決して違反してはならない取り決めが「憲法」です。
憲法とそれに違反しない法律に従って政治をするのが「立憲主義」です。憲法が、法律と政治が勝手なことをしないように見はっているという感じです。

歴史を勉強した人は、昔、王様とか皇帝、日本では幕府(将軍)が「余に逆らってはならぬ」と、目を光らせて支配していたことを勉強したでしょう。
とても賢くて立派な王様たちがいるかと思えば、むちゃくちゃだったり残酷だったりする皇帝たちもいて、それは国民にとってはたいへん困ります。
「立憲主義」というのは、憲法を王様、皇帝、将軍とたてまつって、逆らってはならんことにしたといえます。
ただ、人間の王様と違って憲法は、国民が話し合って「どうも今の世の中に合っていないなあ」と思えば、変えてしまってよいのです。
憲法という王様の目を盗んで、こそこそする必要は無く、王様が間違っていると思えば変えることができる、ただしちゃんと手続きして決まったことには逆らえない、立憲主義というのは国民が自分たちの支配者を、自分たちで決めて、憲法という文章(ルールブック)にして誤解が生じないようにしておくということです。